読書感想文的な。(柚月裕子「パレートの誤算」)

年末年始にポイ活のアンケートに答えていて、エンタメ系の内容だったのですが、「最近読んだ本」という設問に、あれ、答えられない…という残念な出来事があり、この3連休、とりあえず小説を数冊購入してきました。あ、実用書とかは読んでいますからね。

ということで、まずは一冊読了したのは、パレートの誤算」。

生活保護が題材の社会派ミステリーという本作。

前職でWOWOWのドラマ版主演の橋本愛さんにインタビューさせていただいたこともあり、

以前から興味があったので(けれどもそのドラマは未視聴…)、一気に読んでしまいました。文章が読みやすいということも一因ですね。

“社会派ミステリー”と帯に書かれていますが、推理や謎解きメインのいわゆる探偵小説や刑事モノではなく、主人公が探求していくことで逆に危険に巻き込まれていく系の話。自分はそういうのが好きなので、正に自分好みのストーリー展開でした。主人公の聡美さんの真っ直ぐな性格もいい感じです。

ストーリーは割とシンプルな展開ですが、読者をミスリードさせていくような筆の進め方なので(書き下ろしではなく連載だったからですかねぇ)、そこに素直に乗っかるのが正しい楽しみ方だと思います。とはいえ、貧困ビジネスのような社会の闇のようなものに触れるスリリングさを“社会派ミステリー”としてただ消費するだけではなく、貧困問題や生活保護の社会課題に思いを馳せられるといいのかなと。「目を背けてはいけないものがそこにある!」と作者も帯に書かれていますし。