浅倉卓弥『追憶の雨の日々』

久々の読書感想文です。久しく図書館に行っていませんでしたが、こどもたち連れていってきました。ちなみに自分の本を借りるスタイルは、図書館では適当にタイトルや作者名で気になったものを数ページだけパラパラと目を通して、何となく今の気分にあってそうなものを借りて、さらにその場では読まずに持って帰る、何てやり方です。なのでハズレだとめっちゃ悲しいです^^;
そんなわけで浅倉卓弥さんの『追憶の雨の日々』
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド出身のジョン・ケイルのアルバムだったっけと思っていたら、本文中にもそんな記述が。Rock好きとしては嬉しい題材の取り方です。
時代設定はバブルが弾ける前くらいなのかな、地上げ屋とか出てくるし。そんな時代の梅雨から夏の終わり、秋の初めくらいまでの物語。何か自分も中学生の頃のこととか、ふと思い返してみたくなりました。ちょうど作品世界くらいの頃でしたのでね(笑)。
この作者さんのは『四日間の奇蹟』を読んだ時にも感じましたけど、説明や心理描写が場面ごとにしっかり描かれているので考え込まずにあっさりと読みきれちゃうので、ところところで主人公と相手の関係が破綻することがチラ見せされているし、イッキ読みした方が何かといいですね。じわじわくるんですよね。そういうツボをしっかり押さえられているので、どん底から再生していくエンディングというのか後日譚というのか、それもまたくるところがありますね。