水嶋ヒロ/KAGEROU/齋藤智裕

今年一番の無駄遣いというか、アンケートの項目によくある「新しいものに必ず手を出す」にYesであるというか、単にやっちまったというか。発売日に買いましたですよ、水嶋ヒロさんの『KAGEROU』(齋藤智裕)
読後の感想ですが、まずは水嶋ヒロのキャリアに傷がつくものではなかったです。ただまぁどこかでみたことがある設定と展開だし、伏線やどんでん返しもない素直な作りなので、読者はだいぶ限定されるかなと(小中学生からぎりぎり高校生までかな)。私は読み終わったときにTM NETWORK木根尚登さんの『いつか逢える日に』を思い出しましたよ。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、ある意味一緒のネタが使われています。
そもそもこれ真面目に論評するのもどうかと思いますけど、ひとつだけ。40歳の主人公が20歳の女子に持つ感情として(後半の話ね)、自分的にはまったく共感ができずでした。というか主人公の精神年齢がどう考えても幼すぎるので、設定自体32〜3歳くらいでいい気がする。それであれば逆に20歳女子に抱く感情も理解できるから。このあたり、何となく芸能人の精神構造を垣間見ちゃった気がします(笑)。
てことで、村上春樹のデビュー時とかに比べてもそうだし、セカチューとか近年のヒット作と比べてもいまひとつな感じですが、これからも頑張って書き続けてほしいとは思いました。今後も手に取るかは知らんけど(苦笑)。